ーー「このカフェ、気づけば2時間もいた。」
「店に入った瞬間、『急がなくていいよ』と言われたような気がした。」
そんな経験はありませんか。
コーヒーが特別安いわけでもない。
席が豪華なわけでもない。
それでも、また来たくなる。
私はその理由が気になり、ブルーボトルコーヒーを「カフェ」としてではなく、「空間」として見てみることにしました。
ブルーボトルコーヒーとは
私たちブルーボトルコーヒーは、2002年に創業者のジェームス・フリーマンによって、アメリカ・サンフランシスコで誕生しました。
カフェをオープンしたのは、2005年。ベイエリアのヘイズバレーにある一号店は、“すべて注文を受けてからお客様ひとりひとりのために作る”という、鮮度と味へのこだわりが評判となり、地域の人々やコーヒー愛好家たちが集う場となりました。そして、2015年にはコーヒー文化に敬意を表し、長年の夢であった日本に海外一号店をオープン。その後も出店する地域に根ざした店作りを大事にしながら店舗を拡大し、現在はアメリカ、日本、韓国、香港で約100店舗(2020年4月現在)を展開しています。
公式サイトより抜粋:ブルーボトルコーヒーとは
① 音
ブルーボトルコーヒーは公式ブログにて「MUSIC WITH COFFEE」と題し、
コーヒータイムはもちろん、移動中にもリラックスできる音楽を紹介しています。
それだけ、音へのこだわりが強いことがわかります。
引用:#MUSIC WITH COFFEE VOL.144:Into the Day
ブルーボトルに入ると、まず気づくのは「にぎやかだけど静かだ」ということです。
無音ではない。BGMは流れている。でも、その音量は会話やコーヒーを淹れる音を邪魔しない程度に抑えられている。
エスプレッソマシンの音や、カップを置く小さな音まで空間の一部になっているように感じました。
そして私は、静けさもサービスの一つなのではないかと思いました。
多くのお店は「何を流すか」を考えるけれど、ブルーボトルは「どれだけ音を引き算するか」を考えているように感じました。
その余白があるからこそ、会話に集中できるし、一人で考え事をしていても心地よい。
これはカフェだけの話ではありません。
人とのコミュニケーションでも、SNSでも、「情報を増やす」ことより「余白をつくる」ことが、相手に心地よさを与えるのかもしれないと気づかされました。
自分の仕事でも、「足し算」ではなく「引き算」を意識してみよう!
② 光
店内に入って最初に感じたのは、「明るい」のに落ち着くという不思議な感覚がありました。
物理的に窓が大きいというのはありますが、不思議にも私が行ったのは曇りの日だったのです。
よく見ると、照明だけで空間を作っているわけではなく、壁やインテリアを含めまとめて明るい空間を作っているようでした。
木のテーブルや床は、その光を反射しすぎず、どこか柔らかい印象を与えてくれる。
白い壁と木の素材が主役になっていて、必要以上に目を引く色がない。だからこそ、視線が忙しくならず、自然と気持ちも落ち着いていくように感じました。
私は、「落ち着く空間」は何かを足して作るものではなく、不要なものを減らして作るものなのだと思いました。
派手な装飾や強い照明がなくても、人は心地よさを感じられる。
むしろ、余計な刺激が少ないからこそ、自分の時間に集中できるのかもしれません。
この考え方は、部屋づくりにも仕事にも通じる。
「もっと足さなきゃ」と考えがちだけれど、本当に必要なのは、不要なものを減らして、
本当に大切なものだけが目に入る環境をつくることなのかもしれません。
③心地いいお店とは「接客を意識させない店」
ブルーボトルでは、入店してから席に着くまで、不思議なくらい迷いませんでした。
「どこに並べばいいんだろう」
「注文は先かな、後かな」
そんな小さなストレスを感じることがほとんどありません。
よく見ると、レジの位置や列の流れ、商品の並び方まで、自然と次の行動が分かるように設計されているようでした。
店員さんも必要以上に話しかけてくることはない。
でも、質問をすれば丁寧に答えてくれる。
「距離が近すぎず、遠すぎない。」
ドリンク注文時は、提供時に呼ぶための名前を聞かれます。
番号ではなく、名前で呼ばれる。
初めてのときは小恥ずかしかったし、苗字を伝えていましたが、
いつの間にか下の名前、時にはあだ名でお願いするようになりました。
まるでカフェで働く友人のところに遊びにきたような
このちょうどいい距離感が、店全体の心地よさにつながっているように感じました。
心地よいお店とは、「接客が素晴らしい店」ではなく、「接客を意識させない店」なのかもしれない。
④ コーヒーではなく「この空間で過ごす時間」を買いに来ている
ブルーボトルでコーヒーを飲んでいると、不思議なことに「早く出なきゃ」という気持ちになりませんでした。
誰かに急かされているわけでもない。
長居を勧められているわけでもない。
それでも、自然と本を開きたくなったり、仕事をしたくなったり、ただぼんやり過ごしたくなったりしました。
そのとき思ったことが
ブルーボトルが提供しているのは、コーヒーだけではないのかもしれない
ということ。
もし「コーヒーを飲むこと」だけが目的なら、もっと安い選択肢はいくらでもある。
それでも人が足を運ぶのは、「おいしいコーヒー」を買いに来ているからではなく、「この空間で過ごす時間」を買いに来ているからなのかもしれません。
コーヒーは、その時間を過ごすための「きっかけ」であって、本当に価値があるのは、その場所で過ごす時間そのものなのではないか。
私が求めているのはコーヒーだけではなく、居心地の良い空間なのだと確信しました。
「心地よかった」は偶然ではない
ブルーボトルを出たあと、ふと思いました。
「また来よう。」
むしろ、店内にいるときから考えていたことですが、、、
そう思った理由を考えてみると、コーヒーが特別おいしかったからだけではありません。
店員さんの距離感。
静かなBGM。
自然光が入る店内。
迷わない注文導線。
一つひとつは小さなことだけれど、その積み重ねが「居心地の良さ」をつくってました。
本当に良いサービスとは、相手が迷わず自然に動ける状態をつくることなのかもしれない。
コーヒーは飲み終えても、その場所で過ごした時間は残る。
だから私は、ブルーボトルはコーヒーを売っている店ではなく、「良い時間」を売っている店なのだと思いました。
私自身の仕事にも置き換えてみた
この記事を書きながら、自分自身にも問いかけてみました。
私は「サービス」を届けようとしていただろうか。
それとも、「体験」を届けようとしていただろうか。
ブログを書くときも、ただ情報を並べるだけでは、検索すれば誰でも書ける。
でも、
「この記事を読んで、少し考え方が変わった。」
「またこの人の記事を読みたい。」
そう思ってもらえたら、それは情報ではなく、体験を届けられたということなのかもしれません。
ブルーボトルは、コーヒーを売っているようでいて、本当は「良い時間」を提供していた。
私も仕事をするときは、
「何を売るか」ではなく、
「どんな時間を届けるか」を考えたい。
それが、人に選ばれ続ける理由なのだと思います。
今日の学び
- 静けさもデザインできる
- 「また来たい」は小さな工夫の積み重ね
- 商品ではなく体験が記憶に残る
#場所から学ぶ シリーズは今後も続きます!





